脳神経外科の受診ガイド

意識レベルは脳の障害を調べる指標となるため診察で最初に診ます

脳梗塞で脳への血流が途絶えたり、くも膜下出血などの出血で直接障害されたり、血の塊で圧迫されたり、脳浮腫のむくみで脳内の圧が高くなったりすると脳の機能が損なわれ、様々な症状が出出てきます。

脳が本来の働きができるのは意識があってこそですので、意識があるということはとても重要です。意識障害がみられる場合、脳幹もしくは大脳が広い範囲にわたって障害されていることを意味します。意識レベルの確認は、危険な状態に向かっているかどうかを把握するため他の大切な指標となりますので、脳卒中で患者さんが搬送されてきた場合には、最初に診ます。

大脳の中央には、顔、手・足を動かす神経細胞で構成される運動野があります。ここから神経線維が束となって大脳の中央にある被穀に接して脳幹に向かいます。脳幹で、この神経線維が左右に交差し、一部は顔に、他は脊髄に行き、さらにそこからq手足の筋肉につながっているので、このどこかに障害があると運動麻痺が生じます。

大脳の中央に、顔、手・足の感覚を司る神経細胞が並んでいて、顔や手足の皮膚から神経線維が伸びています。大脳あるいはここまでの神経線維のどこかに損傷があると、その神経が関係している範囲の感覚(触覚、温度覚、痛覚)が失われてしまいます。

脳卒中の症状として言語障害はよく知られていますが、言葉がしゃべれなくなるのは2つのケースがあります。一つ目は、言葉を喋るのに必要な、下や唇、喉などが麻痺で動かなくなり、喋れなくなる「構音障害」で、毛一つは、舌や口は正常なのに、どう喋ったら良いか分からなくなる「失語症」があります。

失語症の場合は、左の大脳半球にある、言語を喋る言語野や、言葉を聞いて理解する言語野が障害されると、会話の内容は浮かんでも、どう喋って良いか分からなくなったり、話を聞いても理解できななります。

脳卒中で視野が急激に狭くなることがあり、大脳の右後頭葉が障害されると視野の左側、左後頭葉が障害されると視野の右側が見えなくなります。視野が狭くなる原因として最も多いのは、片方の後大動脈がツアって後頭葉に脳梗塞がおきるケースです。

脳は神経細胞の塊ですが、脳自身に痛みを感じる神経は存在しません。しかし、脳を覆うくも膜・硬膜、太い血管には痛みを感じる知覚神経が走っています。したがって、脳の表面に出血した血液や髄膜炎などの炎症があると、これらが刺激されて頭痛が現れます。


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